ヘテロトピアの思考

 上村忠男『ヘテロトピアの思考』読了。


 ユートピアのような非在の場所ではなく、実在の場所でありながら他のすべての実在の場所に異議を唱える反場所、ヘテロトピア。現代世界における境界知識人、E・サイードをめぐる表題論考を端緒に、国家総動員体制の思想的根拠、さらには、映画『ショアー』が提起する歴史の「記憶」と「証言」の問題まで、ヘテロトピア的立場から近代知を批判し言説の異他なる反場所を模索する人文諸科学への最新メッセージ。

ヘテロトピアの思考 (ポイエーシス叢書)

ヘテロトピアの思考 (ポイエーシス叢書)