演劇計画トークセッション

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 演劇計画は、京都芸術センターで舞台芸術作品を生み出す、長期的視野に立ったプロジェクト。従来の劇団、カンパニーといった集団の枠を超えて集う個々の才能を、上演の担い手として育成することで、舞台芸術に新たな未来を提示する。
 プロジェクトは二〇〇四年に始まり、今年で六回目を迎える。
 演劇計画は、舞台芸術の公演、舞台芸術賞、舞台芸術にかかわる言説の三つのカテゴリーで形成される。トークセッションは、言説の一つとして企画されている。


 今回は、麿赤兒(舞踏家、大駱駝鑑主宰)と森山直人(演劇批評家、京都造形芸術大学准教授)の対談。
 「問題は<身近>にある」をテーマに語り始める。
 麿の最近の身近なことは、たとえば歯が欠けたり抜けたりするようなこと、「老い」だという。そして、幸いなことに日本には老いの芸というものが、既にパッケージ化されている、と彼は指摘する。能の黒面の翁に代表される、呆けた老人の高度に様式化された姿態。
 何を言っているのか判然としない、もうわしは何も分からぬ好きにせよ、というむにゃむにゃとした、極めてアナーキーな呟き。高齢社会の中で、そのような呟きが広がり満ちる様こそ楽しみであるのだ、という麿の放談は、赤瀬川源平の「老人力」を想起させつつ、魅力的に響く。


 麿は、高校の級友の師匠である。強面の、しかし意想外にほくほくと笑う、このような人の下で踊っているのかあいつは、と思うと、胸に迫るものがある。


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