金沢

 金沢21世紀美術館へ行く。


 メインは、ヤン・ファーブル舟越桂の二人展。
 過去の芸術作品も踏まえつつ、それぞれの精神的バックグラウンドを示し、その歴史的、美術的対話の中に作家の世界観を浮かび上がらせようという展示。


 今回の企画は、ルーヴル美術館の「コントルポワン(対位法)」と呼ばれるプログラムを基に、21美とルーヴルが共同で実現させたものだそうだ(ルーヴルからは、ゲスト・キュレーターとして、マリー=ロール・ベルナダック氏が迎えられている)。こういう構図はあまり目にしたことがない。興味深い。


 これまでにも、舟越桂の作品を目にする機会があった。が、あまりにメジャー過ぎるためか、少し御座なりにしていたところがある。
 大スペースでの舟越作品の展示は、本展覧会のハイライトであったと思う。数体の彫像の奥に、無数のドローイング。天井からはペンダントライト。
 当然のことだが、舟越の、定型的に思えた作品群にも、いくつもの展開があり、断絶があり、跳躍がある。そのことがよく確認できる。