公共経営と政策研究

 村上弘ほか編『京都市政 公共経営と政策研究』読了。


 大都市自治体とその政策・経営に注目し、それを京都市という特色ある地域において、1980年代から2005年頃までの四半世紀を対象に、財政学、経済学、経営学社会学政治学行政学などの研究者や実務家の参画を得て学際的に検討しようとする書。
 第?部では、京都市の基本計画の流れを概観し、市長選、行財政改革、財政を取り上げる。第?部では、産業政策、景観政策、大学政策、文化政策の四領域について深く検討し、最後に改めて、市職員による考察を加える。


 京都市職員と言えども、多様な政策領域のすべてを広く深く了解しているわけではない。僕は入庁してから四年が経つが、残念ながら、上司たちが共通認識として話す人名や昔の施策、事業を知らないことがよくある。
 その点で、過去の政策を整理する本書は、僕にとって、実務的に役立つものであった。


 本書では、京都経済同友会の動向、提言が、市の政策形成に相当程度影響を与えていることが検証されている。この辺の感覚は、過去の資料に目を通すだけでは分かりにくいところで、産業政策について疎い僕には参考になる。
 

京都市政 公共経営と政策研究

京都市政 公共経営と政策研究