フォーク・コンサート

 仕事で円山公演音楽堂へ行く。
 フォーク・コンサート。


 野外の音楽堂、雨の中だったが、客席は九割方埋まる。ありがたいことだ。


 最近、文化政策の見直しに絡んで、行政がしなければならない(行政にしかできない)仕事は何なのだろう、という話をよくする。
 商業ベースに乗るようなイベント、既に民間で十分に担われている事業からは、行政は手を引くべきだろう、というのがよくある意見である。行政の仕組みはイベントには不向きだし、同じだけのお金でもっとうまくやる事業主体は、民間にいくらでもある。(もし民間で提供されるものが、高額過ぎて多くの人が手が届かないなというなら、適切な選考のうえで、補助をすることは考えられる。)
 行政がしなければならないのは、個別の事業主体では十分にできないことだ。採算が取れないが必要な事業というのはたくさんあるだろう。あるいは、横断的・広域的な情報発信インフラというのも、個々に整備するのは難しい。もちろんそれらのための人材の養成、確保というのも必要だ。


 仮にその論が正しいとすれば、これは個人的な見解だが、フォーク・コンサートのような事業は、中長期的には廃止されるのではないかと思う。行政が直接企画運営する必要はない。
 が、雨の中、これだけ熱心に来場される方々を見ると、そして、「来年もまた来るわ!」と声をかけてくださる方のことを思うと、何が正しいのか、一概に言えないような気にもなる。