木村君

 木村君、タンさん夫妻来訪。
 京都での個展の準備のため、昨日今日と家に泊まっている。


 二人にはこれまでにも何度か会っているが、色々話をするのは初めてだ。二時間ほど話してみて分かったことは、彼らは極めて奇妙である、ということだ。サラリとしているが、一々、変。


 木村君のお父上のことに話が及ぶ。二人は口を揃えて、あいつはダメだ、と言う。木村君は、その父親から、人生で大事なことを二つ教わった。「一つは歯をちゃんと磨くこと、もう一つは髪を上げることだ!」木村君の髪は、もちろん少しも上げられていない。
 彼は魁皇が好きだ。相撲は早くなくなればいいと言う。


 タンさんはマレーシアの出身。
 日本語がうまくてよく喋る。が、親類の中では最も無口で通っているのだそうだ。確かに、僕の知るマレーシアの人はよく喋る。


 木村君たちは、出版社もやっている。趣味みたいなものですよ、看板もこんなに小さいんですよ、と言うが、ちゃんとISBNも取得している。
 Tan & Kimura Press