京都会館再整備

 京都市京都会館再整備の検討を進めている。


 本日、「京都会館再整備に関するリーフレット」が公表され、市民意見の募集が始まった。
 既に基本構想は策定されているであろうから*1、今回公表されたものは基本計画の素案に相当すると思われる。*2


 昨年末から、日経新聞で、「京都会館をオペラハウスに」ということが報じられているが、これはミスリードであろう。
 今回提示された計画では、第1ホールを「世界的に著名なオペラやバレエの劇団の巡回公演,セットが大型化しているポップス音楽コンサート等の開催が可能になる舞台とする」と書かれている。この文章から、オペラハウス(と聞いてイメージされるような施設)を導くのには無理があるだろう。*3


 個人的な注目点は二つ。
 まず、会議棟について「2階の会議場部分を演劇に使用できる小ホールや各種催物を開催できるスペースとして整備することを検討する」とされている点。市の施設としては、京都芸術センターが舞台芸術の一つの中心になっているが、それを補完する場所になるかも知れない。
 また、岡崎地域活性化の中心として位置づけられており、「にぎわい施設」を導入する、とされている点も気になる。たとえばスターバックスのような、つまらぬ店舗が入ることは避けてほしい。


 http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000092229.html

*1:平成21年度、「京都会館再整備基本構想素案策定調査業務」についてプロポーザルが実施され、日建設計が受託候補者に選定されている。従って、公表されていないが、内部的には一定の構想が取りまとめられているはずである。

*2:リーフレットが、事実上の基本計画素案であることは、23年度予算として基本設計の費用が要求されていることからも推測されることである。

*3:日経新聞は今回の市民意見募集に当たって「「京都会館」改修 オペラハウスに 市が正式発表」と書いている。今回はパブリックコメントであり、決定事項を正式に発表するという性質のものではないし、そもそもオペラハウスという文言はどこにもない。昨年末の記事も不可解なものであったが、何か思惑でもあるのだろうか。