行政のリズム

 行政の政策は、理念−施策−事業という体系として考えることができる。
 京都市文化政策について言えば、概ね以下のような感じだ。
  理念:世界文化自由都市宣言、京都文化芸術都市創生条例など
  施策:京都市基本計画、京都文化芸術都市創生計画など
  事業:個別の具体的な事業
 個別の具体的な事業を行うには、基本的には、法令/計画に根拠がなければならない。(計画に書かれたからと言って実施されるとは限らないが、計画に載らないと実施されない。)


 施策レベルのことは、数年単位、場合によっては10年単位で考えるのだが、一方で、行政の予算は単年度編成が原則だ。この、「計画の流れ」と「予算の単年度原則」が組み合わさると、たとえば「5年前から内々に検討して、予算がつけば一気に進める」というような現れ方になる。
 従って、事業実施の段階では既に方針が固まっているが、逆に何年も前から交渉してもはぐらかすようなことしか言えない、ということになる。
 この辺の感覚は、多分普通の市民には理解されにくいところだろう。が、行政とうまく付き合うコツというのは、第一にこの独特のリズム感を把握することではないかと思う。