韓国旅行
韓国二日目、ソウル。
ソウル市立美術館「メディア・シティ・ソウル2012」へ行く。
プラトー「フェリックス・ゴンザレス・トレス展」へ行く。
プラトーは、サムスン財団が運営するギャラリー。1999年にロダン・ギャラリーとして開館したが、2011年にリニューアルした。
トレスは好きな作家の一人だ。境界的知のようなものを、ロマンティックな形で見せてくれる。
フーコーが規定し、日本では上村忠男が取り上げている概念に「ヘテロトピア」というものがある。
村上の言を引けば、それは、ユートピアのように非在の場所ではなくて、
「実在の場所でありながら、ひとつの文化の内部に見出すことのできる他のすべての場所を表象すると同時に、それらに異議申し立てを行い、時には転倒もしてしまうような異他なる反場所」である。
トレスは、そのようなヘテロトピアを現出させるアーティストの一人である。
付言するなら、日本では、同時代的に、ダムタイプの表現があった。
今、京都では、八巻真哉らがダムタイプの今日的な読み直しを試みているが、偶々の年代の一致や、エイズという共通項を超えて、トレスと古橋禎一、両者の共通性を考えてみたい気もする。
夕方から高速バスで光州へ移動。
着いたホテルは、地下にクラブがあるばかりでなく、建物の半分が改修中でスケルトンという、かなりハードコアなものであった。
クラブにも行ってみたが、ゴリゴリとビートが刻まれるフロアには、僕たちしか客はいなかった。