ウルトラ

 豊田市美術館ヤノベケンジ−ウルトラ」展を観る。


 ヤノベのスケール感、技術力は確かに凄いことだと思う。しかし、どこか「子どもの妄想」という感が拭い切れない。これはどうしたことだろう。
 彼は、原子力を扱う。ロボットを扱う。テクノロジーと、そこから生じ得る災厄を扱う。
 作家はそのことを十分に意識しているのだろうが、しかし突き抜けた信念のようなものはそこからは感じられない。答えを持たぬまま、「太陽」というファンタジーを生み出したヤノベは、一九三九年のアインシュタインと同じ轍を踏んでいるように見えてならない。


http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2009/temporary/yanobe_ultra.html