ビートたけしと団塊アナキズム
神辺四郎『ビートたけしと団塊アナキズム』読了。
著者は、団塊の世代の特質について次のように記す。
「権力クソくらえ、国家が何だ、党派も組織もごめんだ、規範も規約もいらない、自分が自由であればそれでいい、その“自分”だけが主人公となる世界−。
すなわち「アナキズム」である。」
これは、アナキズムではない。個人主義でもない。
本書は学術的正確さを期したものではないだろう。とは言え、論の核心にブレがあったのでは、他も推して知るべしである。
ビートたけしについては、特段の知見を持たないので何とも言えない。
本書の中で唯一、了解できたのは、団塊の世代に近しい者の一人であるところの著者が、団塊の世代についてどのような認識をしているか、ということであった。世代論というのは、往々にして自己分析から始まるように思う。半ば著者の自省とも思える幾つかの記述は、その点で、興味深いものであった。
- 作者: 神辺四郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/07/17
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (7件) を見る