ワークショップ

 京都芸術センターのワークショップに参加する。
 と言っても、オブザーバー的ポジションで眺めていただけだが。


 高嶺格とその仲間たちによる「未来のための創作エチュード」。
 「八月の新作パフォーマンス公演に向けて、タイからやって来たメンバーと日本から参加のメンバーが日々試行錯誤している。その制作過程について、皆さんと一緒に考えてみたいと思う。」との案内だったが、実際には、タイからのメンバーの一人、ノクさんによる“影絵劇”のワークショップであった。


 実のところ、ワークショップなるものに参加するのは初めてのことであった。ごく幼い頃に感じた、参加することの気恥ずかしさ、ちゃんちゃんとこなしているうちにいつの間にか時間が経つ感覚を思い出す。


 高嶺さんは、今回のパフォーマンス公演を、ほとんどストーリーを持たぬまま作り始めているそうだ。出演者を選んでいる際にたまたま声をかけたタイの人も、そもそも舞台に立った経験がないという。高嶺さんのものづくりは、最初はいつもこのように弱々しく先の定まらぬものに見える。にも拘らず、最後には素晴らしいものができているのだから、不思議なことだ。


 ちなみに、ノクさんの名前は、タイ語で鳥を表すのだそうだ。ほっそりとした容姿からは想像できない程、語る努力を惜しまぬ人であった。


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