赤ちゃん教育
野崎歓『赤ちゃん教育』読了。
乗り物をこよなく愛するわが子が、将来、親の無免許であることを知ったらどうなるかと落ち込みつつ、大詩人、マラルメだってわが子の誕生にびびっていたではないか!と己を鼓舞する仏文学者。「子の誕生」という、誰もがあわてふためく瞬間を、自らの育児体験や偉人たちの例と共に描く。
僕がこれまでに自覚的に読んだ“子育てもの”は、内田春菊『私たちは繁殖している』、松田道雄『育児の百科』、そして本書だ。随分偏っているような気もするが、いずれも自分で求めたものではないのだから仕方あるまい。
『赤ちゃん教育』には、内田の、手負いの母親猫のような強烈さも、松田の着実さもないが、僕には合っている様に思う。適度にクールで、好ましい。
- 作者: 野崎歓
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/15
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (26件) を見る