レゾナンス
サントリーミュージアム天保山「レゾナンス」展を観る。
質の高い作品も多いし、懇切丁寧な雰囲気を醸し出している。が、どこかツルッとした、ベスト盤のような印象だ。
小泉明朗「若き侍の肖像」が面白かった。
「大戦下、出撃前の兵士が、両親に最後の挨拶をする」というシークエンスを俳優に演じさせる映像作品なのだが、画面外から、小泉が執拗にダメ出しをするのだ。そんなもんじゃない、これから人を殺す男の目はそんなものか、侍の心を搾り出すように云々。俳優は、やがて超興奮状態に入り、身体を震わせながら演技をすることになる。
小泉は実にいやらしい。「Human Opera XXX」や「僕の声はきっとあなたに届いている」でもそうであったが、どこか、人を小馬鹿にし、切実さを弄ぶところがある。それはときに嫌悪感を催させるが、一方で、笑いや、感動のようなものをさえ引き起こす。その断絶、転回が興味深い。
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