まちづくりの新しい理論

 C・アレグザンダー他『まちづくりの新しい理論』読了。


 C・アレグザンダーの提唱するまちづくりの理論、パタン・ランゲージを、簡単にまとめ、また、シュミレーションの様子をレポートしたもの。初めて彼について学ぶ方や、まちづくりに興味のある一般の人達にとっての格好の入門書。


 パタン・ランゲージ理論は、日本では八十年代頃に注目されたらしい。ポストモダンの都市論に影響を与え、磯崎新ら建築家だけではなく、柄谷行人多木浩二らが取り上げたという。
 本書監修者の文章中で、柄谷『隠喩としての建築』での言及が引用されている。僕も一度読んだはずだが、全く記憶にない…。


 同理論の基本的な問題設定は、(大規模なマスタープランに基づく“不自然な”都市へのカウンターとして、)いかにして“自然な”都市に近づくかということだ。
 パタン(単語)が連なり、ランゲージ(文章)になる。自然言語がそうであるように、まちは、意識を持った媒体(個人や共同体、企業、行政など)のコミュニケーション・プロセスによって自己組織化する。というのが、ここでの基本的なアイデア
 徹底したシステム論的思想と、そこからくる機能主義的な方法論とが展開される。


まちづくりの新しい理論 (SD選書)

まちづくりの新しい理論 (SD選書)