超京都

 アートフェア「超京都」のプレビューへ行く。
 先週のアートフェア京都とあわせて感想を少し。


 アートフェア京都は、ニュートロンの石橋さんの発案で、イムラアートギャラリーとモリユウギャラリーが加わって催された。どちらかというと、新興勢力のフェアであっただろうと思う*1
 ホテルの客室を使うというフォーマットは目新しいものではない。が、小山登美夫や児玉画廊等の本格派に混じって、本屋、オルタナティブスペース、「へうげもの」、印刷出版会社が出品するという構成からは、何か新しいことを仕掛けようという意気込みが感じられる。
 また、デポジット制(入場料二千円を作品購入に充てられる)の導入も、一つの工夫として目につく。


 アートフェア京都の中では、児玉画廊のプレゼンテーションが異質なものであったと思う。部屋全体に作品が展開され、ほとんど足を踏み入れられない(ように見える)。作品が売れるのかどうか知らないが、印象に残る。


 アートフェア京都2011 モントレホテル京都 | ART FAIR KYOTO 2011 in Hotel Monterey
 &ART:特集


 超京都では、主催として、ギャラリー16の井上さん、SWPのバロンさん、VOICE GALLERYの松尾さんがクレジットされている。16とVOICEは、老舗本流、京都の代表的な現代美術系ギャラリーだ。ここにバロンさんの謎のセレブ感が組み合わされ、超京都は成立したのだろうと思う。会場には、モデルや行政幹部、評論家の姿も見える。京都らしい(というと語弊があるかも知れないが)手練手管を感じる。


 入場料は三千円。高い。コレクター(≒金持ち)以外は来るな、というくらいのハイソな設定である。


 会場は杉本家住宅。鉾町にある大規模な京町家で、今夏、重要文化財に指定される。作品に目をやっていると見逃すが、これも凄い家である。怖くて迂闊に歩けない。


 芸術計画 超京都

*1:イムラアートギャラリーは1990年の開廊。京都の代表的な現代美術系ギャラリーの一つだが、1999年を最後にKyoto Art Mapから離脱するなど、既存のギャラリーと距離を置き、独自路線を取っているように見える。