コルタサル短編集

 『コルタサル短編集』読了。


 夕暮れの公園で何気なく撮った一枚の写真から、現実と非現実の交錯する不可思議な世界が生まれる「悪魔の涎」。薬物への耽溺とジャズの即興演奏のなかに彼岸を垣間見るサックス奏者を描いた「追い求める男」。斬新な実験性と幻想的な作風でラテンアメリカ文学界に独自の位置を占めるコルサタル(一九一四〜八四)の代表作十篇を収録。