参議院選挙

 育児休業、一〇二日目。
 参議院選挙。


 結果は民主党の敗北。自民党は復調し、みんなの党が躍進。再び、いわゆる「ねじれ国会」の状態に陥ったことになる。


 一体、どこの誰がこのような判断をしたのだろう。
 この結果から導かれるのは、(それがどこの誰かはともかく)彼の判断には論理的一貫性はないということである。それは苦々しい、了解不可能なことであるが、しかしそうなのである。


 論理的一貫性がない、ということには、二つのケースがある。
 一つは、ポリシーがない、思いつきでものを言う(あるいは何も言わない)、という誰も舵を取らない船の如き状況である。もう一つは、論理的に一貫しない方を選んで判断する、という、天邪鬼の如き状況である。前者はカオス的であり、後者はダブルバインド的である、と言える。


 内田樹の問題設定に鑑みれば、この国の(あるいは先進国の)有権者は、ダブルバインド的状況を設定することで、逆説的に、有権者のパワーを誇示しようとしている、と考えられる。
 果たして、この考えは妥当であろうか。


 いずれにせよ、民主主義というのは、この不合理性を抱え込んだものとして考えなければならない。そのようなコストを払ってもなお、民主主義は他の政体よりも安全だ、と歴史は判断したのであろう。