保育所

 娘を保育所に入れるため、面接に臨む。


 会場には、各保育所の受入枠と、申込状況が掲示されている。
 我々の希望している保育所は、第一希望から希望順に、倍率2倍、倍率5.5倍、受入枠なし、である。一歳児の受入枠は、零歳児のそれよりも少ない。


 面接では、あなたたちの優先度は低い、と明言された。認可外とは言え、既に預かってもらえるところを確保しているから、だそうだ。
 これは不条理なことであると僕は思う。
 我々は半年前から保育所への入所を希望してきた。が、叶わなかったので、次善の策として認可外保育所に入所したのである。そうする以外に道がなかったから。預かってもらえるところをまだ確保していない他の希望者は、(四月以降の算段は別として、)確保しなくても、とりあえずは何とかなるからそうしているのではないか。我々は、そのような他の希望者に、認可外保育所の枠を譲ることにやぶさかではない。保育所に入所できるのなら。
 四月以降に他の選択肢があるかどうかという観点でみるなら、厳密には、現状はひとまず関係がないはずである。


 と考えたが、もちろんそんなことは言わない。
 状況を淡々と説明して、頭を下げて、どうぞよろしく、と言って帰る。