京都会館再整備に関する意見交換会

 「京都会館再整備に関する意見交換会」へ行く。


 2020年の舞台芸術環境を考える会の主催。提言内容も舞台芸術からの視点のものであったが、参加者は、舞台芸術関係者に限らず、建築、まちづくり関係者を含む、幅広いものであった。Social Kitchenの普段のイベントに比べても、年齢構成、参加者の背景など、かなり多様なものであったと思う。
 参加者数は60人弱。


 提言の内容については、立場上、発言を差し控える。


 記しておきたいのは「信頼感」のことだ。
 今回の京都会館再整備の問題には、行政と市民の双方に、お互いへの信頼感が欠けているということが、鋭く現れているのではないかと思う。市民は行政のことを信頼していないし、また、行政も市民のことを信頼していない。最初から強い警戒心があるばかりで、相手の事情を慮ること、相手の能力を信じるということが圧倒的に欠如している。話せば分かることもあるのだが、現状は、その「話せば」のレベルにさえ到達していない。
 問題は、行政の権力性や、新自由主義への批判という根本的なことではない。これはもっと日常的で些細なことであり、技術的に解消し得るものなのではないかと思う。ニュートラルな気持ちで、真ん中にテーブルを置くこと。
 僕は、行政の理屈も分かるし、もちろん市民の一員でもある。そのような立場で言うと、これはどちらかだけに責任を帰すべきものではない。
 僕は、このような行き違いは、システム設計によって改善されるところが大きいと思う。対話が生まれ話の芽が膨らむような仕組み、互いに勇気付けられるような環境、そういったものは、ある程度、ハード、ソフトの設計の段階で組み込むことが可能であろうと思う。
 僕の目下の仕事は、計画の改訂というものだが、「どのように信頼感を醸成するか」ということは、最も基礎的な課題として考える必要がある。


 2020年の京都の舞台芸術環境を考える会
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