the HOME

 京都造形芸術大学卒業・修了制作展「the HOME」へ行く。
 プレス・オープン。


 造形大は、例年、卒業・修了制作展を京都市美術館で行ってきたが、今年から学内のみで開催する。
 公共の美術館では、音、匂い、火気の使用など、様々な面で制約があり、また、映画や舞台芸術の作品発表も困難であった。さらに、今回は作品の一部にプライスが設定されているのだが、これもおそらく京都市美術館ではできない。
 同大は大学全体をミュージアムとする「大学美術館構想」を掲げており、制作と展示をシームレスに行うため、施設の改修まで行ったという。学内展示への移行は、様々な課題に対する、極めてアグレッシブな回答ということになる。
 ちなみに、卒展を学内のみで完結させる例は、少なくとも国内にはないと思われる。(京都市立芸大や武蔵野美大では学内での展示も行われているが、公共の美術館での展示が合わせて開催される。)


 展示をざっと見て回った後、千住学長にお話を伺った。
 今回の試みは満を持してのものであり他大学のモデルになるものだ、とのこと。京都からの発信、作品自体のクオリティ、教育機関としての環境など、いずれも強い確信と自負を感じさせる御発言であったと思う。


 作品はキャンパス内に広く置かれており、全部を見るには、優に二時間はかかる。
 全体をしっかりと見たわけではないが、展示は、空間の構成、サイン・プラン等の細部にも配慮が行き届き、しっかりとデザインされたものであったと思う。大学内でありながら、確かにミュージアムとしての質感を感じさせる。


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 お知らせ : 京都新聞