植物記

 牧野富太郎『植物記』読了。


 万葉に詠まれた草花の真実、可憐に見えて意外な顔を持つスミレ、なかなか見ることのできない竹の花の秘密、真正の彼岸ザクラと近親種の関係、「満州国皇室」の紋章の“蘭”、荒川の桜名所移転案などなど。世界的な植物学者・牧野富太郎が、豊かな知識と日本の四季折々への深い愛情をこめて、伸びやかに語る。独学で植物学を学んだ若き志学の日々、学界への苦言提言、亡き妻への思慕まで、自らの生涯もユーモアを交えて振り返る、珠玉の自薦随筆集。


植物記 (ちくま学芸文庫)

植物記 (ちくま学芸文庫)