沖縄文化論
岡本太郎『沖縄文化論−忘れられた日本人』読了。
岡本が、アメリカ軍政下の沖縄に行ったときの旅行記、が膨らんで文化論っぽくなったもの。沖縄の「何もないこと」に眩暈を感じた、その印象だけを懐に、走り抜けたような文章。
文化論といっても、アカデミックな論証がなされるわけではもちろんない。意地悪く見れば、感動するぞ、と沖縄に出かけた著者が、無理矢理、眼に入るものに粉をかけたような感はある。エキゾチシズムというか。
多分、岡本もそのくらいのことは分かっているだろう。それでもなお、このように言い切ることが、ある種の創造者には求められるのかも知れないとは思う。
- 作者: 岡本太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1996/06/18
- メディア: 文庫
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