横浜トリエンナーレ

 横浜へ行く。
 目当ては、横浜トリエンナーレ


 横浜市美術館。
 トリエンナーレのメイン会場。全体に安定した展示で、それだけに規模の大きな特別展に過ぎないという感もある。突き抜けた祝祭性のようなものはない。
 ヨアヒム・コースター「Tarantism」。フィルム映写による映像作品。イタリア南東部のアプリア地方の「毒蜘蛛に噛まれた時は踊ることにより解毒する」という民間伝承に基づくとのこと。
 ツァイ・チャウエイ「洗礼」。子どもの手が大人の手を洗う様を映した映像作品。短くシンプルな作品だが、印象深い。
 田中功起「美術館はいっぺんに使われる」。美術館の備品と思しき物が迷路のように並べられ、そこここに映像作品が置かれている。曲がり角で不意に出くわす花束の写真の美しさ。これを美しいと感じるような、通常ではない(しかしそれは日常にもあり得るであろう)地点に誘うこと。そのような機制が彼のインスタレーションには織り込まれていると思う。田中の問題意識には、ART iTの往復書簡で、その一端に触れることができる。


 黄金町バザール


 竜宮美術旅館
 竜宮美術旅館は、横浜・日ノ出町にあるカフェ併設のアートスペース。おそらく昔は連れ込み宿だったのであろうと思われる。随所に遊びのある建築で、二階の各部屋、風呂場、いずれを取っても趣がある。
 よく分からぬままに連れて行かれたが、一周年のパーティーとのこと。YOSHIDATE HOUSEの吉田さんと芦立さんが、三角帽子を被って、雇われママ(?)をされていた。
 作品も展示されている。とりわけ目を引くのは、志村信裕の「lace」だろう。風呂にお湯が張られており、花柄が投影されている。一日一組限定で実際に入浴もできるそうで、作家曰く、その時は人肌に直接影が映り込むことになる、のだそうだ。


 途中、名古屋市美術館学芸員さんと出会い、一緒に見て回る。
 陽気な方で、娘もなつく。


 artscapeのレポート
 ART iTのレポート
 CINRAの参加作家インタビュー