美味しい料理の哲学
廣瀬純『美味しい料理の哲学』読了。
廣瀬の概念の立ち上げ方、その際に持ち出すイメージは、いつも極めて卓抜である。思わず顔が綻び、それが聞きたかった、と言いたくなる。何しろ、テーマが「美味しい料理」である。
冒頭、チマーブエのキリスト磔刑図を引き、すべての料理はこれと同じである、と打ち上げる。何たる見得!九代目の暫もかくや、の風情である。
本書は、廣瀬の最初の単著である。後に何度も変奏されるアイデアが詰まっていて彼の出自も感じられる。
- 作者: 廣瀬純
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/10/13
- メディア: 単行本
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